四方山話


(寝てる間にみる)夢というのはもちろん支離滅裂・非現実的でしかるべきだと思うのだけど、昨日のワタシのように、自動販売機になった夢を見る人が果たしてどれほどいるだろう。

そして巷で人気の「夢占い」に、かの夢のことが触れられているかどうかも知りたいところである。

「自動販売機になった夢を見た貴方は、楽して大儲けしようなどと小賢しいことを考えている、図々しくもイヤらしい性質です。近寄らないで」

とか言われるのだろうか。とすれば、夢占いの引き出しの多さに脱毛である。

というのはどうでもよくて、ワタシが見た夢の話である。

これが何とも気持ちの悪い内容だったのである。ダイドーの飲料水、全五種を提供するというのがワタシが担った役割だったのだが、切なく消え入りそうな声で独りつぶやくのである。

「ダイドーかぁ」

道路を挟んだ向かいにある、コカコーラの自販機は大盛況である。ワタシというものがありながら、わざわざ車の往来を避けて向こうに買いに行くお客も後を絶たない。愚痴が出るのも当然であろう。

「しかもダイドードリンコて。ドリンコて」

と言っている間にまた一人、道路を渡ってコカコーラ製品をお買いあげである。

ワタシの苛立ちは頂点に達するが、真夏の炎天下、どうすることも出来ない。ただカタカタとその身を震わせるだけである。

このやりきれない想いはなんであろう。自らの不徳であれば諦めもつくというものだ。しかしこの商品差はいかんともし難い。営業の腕次第とたまに訪れる入替担当は言うが、営業って何だよ。自動販売機における営業力ってなんなのだ。

それに引き換えほら、コカコーラの素晴らしい商品群ときたらどうだ。

・コカコーラ
・アクエリアス
・まろ茶120
・GEORGIA

ド定番のコカコーラやアクエリアスは言うまでもなく、まろ茶なんて「120」である。なんか凄そうではないか。

こちらといえば、

・集中力(坂本ちゃんロゴ)
・MIU(ミウ)
・わが家の麦茶
・北海道日高の生乳でつくったミルクコーヒー

で、突っ込みどころ満載である。

どこからいじって良いのか分からない状態だ。

まともなのはMIUくらいで「集中力」は坂本ちゃんを採用した時点で色モノ扱いだし「わが家の麦茶」はネーミングが凄まじく地味だ。そもそも「わが家」ってどこなんだ。誰なんだ。この辺の不透明さは元来「爽やか」「すっきり」を売りとするお茶の類においては致命的と言えるのではないか。「北海道...」に至ってはこの商品名を覚えている人が果たして全国でどれだけいるのか、改めて問いただしたくなる次第である。

というわけで、ずっと売れない商品を抱えつつ真夏の太陽にその身を焦がれながら、薄れていく意識とリンクする形で現実世界に戻ってきた。つまり目が覚めたわけなのだが、凄い寝汗をかいている自分がいて、二度びっくりである。

だれか、夢占いに精通している人がいたら是非占ってやって下さい。お願いします。

※「四方山話」2003年06月10日 より
前回からの続きです。

ということで、警察から盗難に遭っていた原付が見つかった旨の連絡があって、しかし人違いらしいという事で電話を切ったその一週間後。再び同じお巡りさんから連絡が入った。

「ヤベッ!なにがバレたんだ!」

すっかり忘れてまた同じ事を考えてしまう自分。虚しくなった。

「やっぱり何度調べても藤川さんの原付なんですよね〜」

お巡りさんは不思議で仕方ないという感じで、見つけた「ビジネスバイク」なるものの所有者が私であると主張して引かない。しかし自分が無くした原付は間違いなくヤマハのJOGである。

「ヤマハのJOGじゃないんですよね?うーん、知らないなぁ」

「ええ、ホンダのビジネスバイクです」

はて、ホンダ?

ホンダといえば、今現在自分が乗ってる原付がホンダである。これも四方山で紹介済みだ。

しかしこいつは、ほらこの通り、目の前の駐車場にちゃんととめてあ、、あ?あぁん??

私は奪取した。否、ダッシュした。況わんや奪取されたのか。私の現役バイク、ホンダのベンリーが奪取されたというのか。

健康のためと最近通勤用の自転車を買って使っていたため、原付の方はこの数日駐輪場に置いたまま、まったく気にも留めなかった。

駐輪場に出た私は愕然とした。無いではないか。オレの原付、無いではないか。

っていうか、あれ「ビジネスバイク」っていうのか?そうなのか、あれ「ビジネスバイク」っていうのか、、ひとつ賢くなったなぁ。。

私はお巡りさんに散々謝って、北方の交番まで歩いて原付を取りに行った。

愛車は本当に無惨な姿になっていて、取れるところは全て取ってしまえと盗人が思ったのかどうなのか「パンツいっちょ」という表現が相応しい状態になり果てていた。

私は泣きそうになりながら「いつか犯人を見つけたら、同じようにパンツいっちょにしてしまって良いですか?」とお巡りさんに訊ねた。

「その時は、通報してください」

うわびっくり冷たいなこのひと。

そんなだからいつまで経ってもヒラの巡査なのだきっと、と勝手な推測を立てつつ私は原付を押し、近くにある事務所まで歩いた。ベンリーのこと、すごく可哀想に思った。ちゃんと面倒を見てやれなかった事を後悔した。

道すがら、ちょっとした異変に気が付いた。ハンドルが前とちょっと違うのだ。よく見てみると、途中から不自然にぐわっ、と上に持ち上がっている。盗人に無理矢理曲げられたのであろう。

「アメリカンや、、アメリカン・スタイルや」

身ぐるみ剥がされた上に、生粋の日本製原付をアメリカンスタイルに変えようとした犯人。いいように弄ばれた様子が見て取れる。

「でもそれ、ちょっと格好エエやん」

そう声を掛けるのが精一杯だった。恐らくこのまま廃車処分であろう。そしてもう二度と、原付を買うことはあるまい。自宅と事務所の距離を考えれば、自転車で十分だからだ。

事務所に原付を置いて、家路についた。そして、私は今日二度目の衝撃的なシーンに出くわすことになる。

「あー!今度は自転車のサドルがないっ!」

サドルのない真っ赤な自転車に乗っている男を見かけたら、それはきっと私である。間違っても「サドルどうしたの?」とか聞かないで下さい。お願いします。

※「四方山話」2003年05月26日 より
突然警察から電話が掛かってきた日には、どんな聖人君主だって「何がバレたんだ!誰だチクリやがったのは!」という気持ちになるというものである。

まして日々後ろめたさ全開かつ後ろ指さされ隊で生活している私の事、思わず「すみません、、あっしがやりやした」と観念しそうになるのも致し方ないことであろう。

電話の相手は近くの交番勤務のお巡りさんだという。彼は私の心配を余所に、

「藤川さんですね?良かったですね、原付が見つかりましたよ」

と優しく語りかけて来た。

なんだ、そういう話か。ならばビクビクする必要もあるまい。むしろ私は被害者ではないか。無くなっていた原付が戻ってきたというのだから、喜ばしいくらいのご報告だ。

ん、でも待てよ。

私が原付を失ったのは、もう二年も前の話である。四方山にも書いたので覚えている方もおられよう。かの「グリーングラス号」だ。本人すらすっかり忘れていたあの事件が、ここに来て一件落着とはなかなか日本の警察も良い仕事をしなさる。あれ以来ずっと、税金を払い続けてきた甲斐があるというものだ(廃車扱いにするのを忘れてただけ)。

「あー、見つかりましたか。有り難うございます。YAMAHAのJOGですよね?」

と、私は伝わらない満面の笑みを浮かべて電話越しに確認した。

「え?いや、違いますよ」

「違う?スクーターですよね、緑色の」

「いえいえ、ビジネスバイクです」

なんだよ「ビジネスバイク」って。

聞いたこと無い分類だな。出前で使うようなバイクをビジネスバイクとでも言うのだろうか。盗難された「グリーングラス号」は思いっきりカジュアルなスクーターなのだが。

「僕が盗難届出してるのはスクーターのはずなんですが、、ビジネスバイクなんてのは持ってないですよ、そもそも」

「そうですか、じゃあ所有者を間違えたのかも知れません。どうもすみません、調べ直してみますね」

そんなやり取りがあって、電話は切られた。私はなんだか無駄に驚いたり心配したり喜んだり、実に無駄な時間を費やしてしまったなぁと思いつつ再び仕事に戻った。

さて、長くなってしまったので今回のお話はここまで。

次回「取り調べ室で冷やし中華を食う男」をお楽しみに!

※「四方山話」2003年05月19日 より
世の中がわーい大晦日だ、そして正月だ、まだ休みも残ってるぜ!と浮かれきっている12月30日に事件は起こった。

うちのビデオデッキが全く動かなくなったのだ。

電源が入らず、中に入れたまんまのテープが取り出せないという有様。

「ちぇっ、ついてないなー」とわざわざ口に出して残念がったあとで「はた!」と思い当たった。

そうさ中に入ってるのはレンタルビデオ。

しかもタイトルは「激ヤバ・モロ見え・X宙企画・歴代No.1女優大集合」という複数の女優モノが入った、誤魔化すにも誤魔化しようの無い、エロエロしいビデオなのだ。

自分の名誉のため女優名は伏せさせて頂くが、この「激ヤバ・モロ見え」部分は誇張も誇張、大嘘で、映倫が逆に「もうちょっと見せなくて大丈夫ですか」と気を遣うくらい大幅に「ぼかし」の掛かった、それはもう胸を張って合法を名乗れる代物なのである。というか、必要のないところまでぼかしが掛かったような、タチの悪い映像なのである!

...という話をしている場合ではなかった。

悪いときには悪いことが重なるもので、ビデオの返却日は今日ではないか。しかも翌日は高知競馬行きが決定していて、朝の六時起き。もう寝なくては睡眠不足による交通事故死が確実だ。

「レンタルを延滞して金を取られ、ビデオデッキを電気屋を修理してもらうついでにタイトルを見られて失笑を買い、挙げ句の果てに高知競馬でスッて、帰りの高速道路で事故死」

なんて事になったらどうしよう。そもそも「エロビデ詰まらせてしまったので、延滞します」などとレンタル屋さんにどんな顔して言えるだろう。ただでさえ一度に10本も借りて変な客だと思われているのに、これ以上笑われるのは大変にイヤだ。

っていうか、デッキを直してもらうにも、正月休みに突入するこの時期に、メーカーは対応してくれるんだろうか。考えてみると絶望的な状況ではないか。不安がよぎる。いよいよ自分のAV好きを世間様に公表する時がやって来た。もう終わりだなにもかも。翌日事故に遭い、その原因を新聞記者に調べられるも、曲がった解釈を受け、

「某中小企業社長、エロビデ見過ぎて居眠り運転の末、事故死。しかも延滞料金を滞納」

とかになるのだ。ああ、さようなら小泉ゆり。さようなら朝岡実嶺(古いよ)。

普段は家庭教師モノ一筋なのに、浮気して女優モノなんかを借りたのが運のツキでした。自分が馬鹿でした。もうしません。

--- 以下は次回予告 ---

絶望の淵で喘いでいたふじかわに救世主が現れる。予期せぬ展開に浮き足立つ自分、息詰まる職人芸、そして更にはレンタル屋まで巻き込んで事件はめまぐるしく展開していく。入ったまま出てこれないテープの運命は?そして持ち主さえ知らなかったビデオデッキに秘められた謎とは...!?

次回、涙無くして語れない奇跡の完結編、

〜 大晦日AV殺人事件 ごめんなさい、テープ切れちゃいました 〜

をお楽しみに!

※ 言うまでもなくきっとやりません。

※「四方山話」2003年01月14日 より
マズいことになった。

ついにこのサイトがうちの母親に見つかってしまったのだ。

こないだ妹にインターネット環境を提供してやったのだが、事もあろうかその妹が、当サイトを母親にゲロりやがったのだ。

恩を仇で返すとはこのこと。コロ助お前もかという感も否めない。「全コンテンツ撤去!」といきり立ってみたがアフターカーニバル、既にほとんど読んだ後というじゃないか。

これでも比較的「恥」というものに関してそれなりの耐性があるつもりだったが、さすがにこれはたまらんです。

親族に自分の書き物を読まれるなんてことは、この上なく恥ずかしいものだ。

しかもあろうことか、読んだ後にわざわざ母親が電話してきて「あのくだりはどういうつもりだ」とか「ああ思っていたとはおもわなんだ」といちいち突っ込みを入れてくるのだ。ああ恐ろしい。もうダメだ。もう会員制サイトにして、IDを発行するしかなくなった。

とまあ、一通り取り乱してみましたが、かつてうちの某ピロアキが取引先とのやり取りで、混乱した挙げ句に「もー、パクニックですよ!」と言い放った過去を思い出しました。恐らく「パニクリますよ」にするか「パニックですよ」にするか迷った挙げ句の不思議発言だったと思うのだが、ともあれ年齢を重ねていくと、なかなかこうした恥ずかしい出来事というのも少なくなってくる。

こないだスーパーで「マングリンどこにありますか!」と大声で尋ねていたおばはんがいた。急いでいたのでその時はあまり気にせず通り過ぎたが、今考えてみるとあれは何だったのだろう。「マングリン」って何だろう。ネットで調べると「全く新しい環境ストレス耐性タンパク質」とあったが、多分あの人が求めているマングリンとは違うものだろう。そんな「全く新しい」マングリンが、マルナカ(地元のスーパーね)に置いてあるとは考えづらい。気になるなぁマングリン。

と、何が言いたかったのか忘れてしまったが、そうそう、下ネタって結構ウケが良いんだねという話がしたかったんでした。メチャメチャ久しぶりの更新にも関わらず、前回のデリヘルの感想、みんなありがとうございました。

でもリアルな風俗体験まで寄せて頂く必要はなかったです。せめてこの場で紹介出来る程度に留めて頂けると。

※「四方山話」2002年12月11日 より
アレは先週の火曜日だったと記憶している。

遅い時刻、それも深夜1時とか2時とかの話だ。レンタルビデオを返しに行って(そして借りてきて)、その帰りだった。

うちのマンションは夜の出入りが少なく、きっと真っ当な人ばかりが暮らしているんだろうなと思うんだが、その夜に限っては来客用の駐車場に車がスーッと入ってきて、女性が一人、助手席の方から降りてきたのだ。

自分も愛車を止めて、その後に続いてロビーに入るところだった。車には運転手らしき男性が残ったままだ。彼氏に送って貰ったんだろうか。

下のインターフォンで100x号を呼び出した彼女は、ちょっと長すぎるくらいのグレーのコートに真っ赤なブーツを合わせていて、女性にしてもちょっと低いくらいの背丈だった。

不自然だったのは、カゴというか何というか、中が丸見えてしまうような入れ物に、化粧品らしきものが数点と、タオルやティッシュ、そうつまり一種の「お泊まりセット」みたいなのを携えていたことだった。

もうカンの良い男性諸君ならお分かりだろう、この時間にこのイデタチ、外で待っている車。「不自然」の域を超えているこの状況はアレだ。そう。

「デリヘル」だ。

かつて友人が「デリシャスヘルプ」と勘違いしていた正式名称「デリバリーヘルス」。そして彼女はサービス提供者であるところのデリヘル嬢その人なのではないか。

そう考えるとパズルは解ける。バカと煙とデリヘルユーザーは高いところに登ると言うが、マンション最上階のお金持ちが、この深夜遅くに、寝付けない夜に、夜のフェアリーを呼びだしたワケだ。外の車は彼氏ではなく、送り迎えの人だろう。凄い、凄いシーンに出くわしたぞオレ!

何を隠そう、私はAV業界には精通しているが、風俗は全くの素人なのだ。度胸がないのと、金が無いのと、素人好みが相まって、足を踏み入れることがなかった風俗業界。だけれども、デリヘルには非常に興味があるのだ。

興味、それは、

「一体どんな娘が来るんだろう」

という一点だ。

まさかヒラヒラの美女が訪ねて来たりするのだろうか。もしそうなら私もノミの心臓を叩いてひとつ勝負に出ようじゃないか。これは神が与えてくれたチャンスに違いない。今、目の前にいる女性次第で、私の生きる道が変わってくるかも知れない。もし彼女を見て、自分の中でゴーサインが出るならば。出るならば、お店の電話番号を聞こうじゃないか。

私は意を決して回り込もうとした。しかしあまり露骨に覗き込んでは失礼というものだ。はやる気持ちを抑えながら、私はゆっくり、しかし確実に彼女との距離を詰め、左後ろから横顔を覗き込もうとした。

イヤ、ちょっと待て。

私が妄想を膨らましまくっている間に、少なくとも数分は経っているはず。呼び出した相手(100x号室)が出て来ないじゃないか。どうしたんだろう。電話したは良いが、自分と同じくノミの心臓が直前でびびって故障発生、出走回避みたいな事になってるのだろうか。それともまさか。。

と、その時、突然彼女が振り返ってこちらを向いた。

目の前を閃光が走った。気がした。

「ヒィ、ヒィ。。!」

叫び声が上がった。私の。そして、

「ヨッ、ヨーダ!あ、ゴメッ!!」

と口走っていた。何言ってるんだオレ。女性に向かって言うことじゃないだろ!

落ち着け、落ち着くんだオレ!

もう何が何だか分からなくなって大混乱の最中、彼女は私にフォースの力がどうのこうのと言った気がしたのだが、それは聞き違いで「お先にどうぞ」と言っただけだった。

私は「すみません」とお礼というより謝罪して、もう一度彼女の顔をチラッと見てロビーを抜けていった。

そして、一つの謎が解けたのだ。

100x号室、わざと出なかったのだ。

部屋で失禁していたか、「チェンジじゃあ!」と暴れまくっていたかのどちらかだろう。

しかし、もしそうなら失礼というものだ。それくらいは当然のリスクじゃないか。せっかく来てもらっているのに、居留守を使うなんて事はヒトとして許されまい。

100x号室の住人よ。今回君に贈る言葉は以下の通りだ。

「フォースの力を信じなさい」

今後、絶対デリヘル頼まねぇ。

※「四方山話」2002年12月03日 より
何時間も講義を聞くというのは、それはもう学生時分以来なので相当なストレスを感じるようになってくる。

そして何故だか「これからの自動車保険はぴたっとクン」というフレーズが何度もリフレインするのだ。発狂寸前である。

そんな時にこそ、人は奇跡に立ち会う事が出来るのだろうか。時空が歪む瞬間。不意に何かが起こる気がした。

「『ありがとう事故』というのがありますが、これは何のことだか分かりますか?」

講師が受講生に質問を投げかけたのは、自分の意識が朦朧とし始めて数分経った頃だった。

「じゃあ今日は7日だから...7番の人」

おーっと、懐かしの「日付当て」である。出席番号32番以降の人間にはなんら関係ない「日付当て」が炸裂である。

我々は本日、銘々に割り当てられた番号を所持しており、皆がこの瞬間、手元の受講票を面倒くさそうに確認した。

不運な7番は20代前半の女性で、ここでは便宜上「ダイエットに若干成功して機嫌のよさそうなナンシー関」と呼ぶ事にしたい。それでこの、ダイエットに若干成功して機嫌のよさそうなナンシー関は、ここでその名に恥じないマーベラスな見解を披露する。

「午後出勤なんだけど、『ありがとう』(※この時岡山で再放送中。チータ主演のTBS系ドラマ)を見てて遅れそうになって、慌てていたので事故ってしまいました」

会場全体がどよめいた。「しまいました」って。人々は彼女の放漫な肉体から気持ち視線を逸らしつつ、その発言にだけは注目せざるを得なかった。質問者であるところの講師は二の句が継げない状態である。そりゃそうだろう、誰がこの回答を余すこと無くきっちり打ち返せるのか。

オリジナリティが失われつつある昨今、このような杞憂な見解を、まさかこのような場所において拝聴することになろうとは思いもしなかった。

「最悪の一日」だったはずの今日に、こうして光が射したのである。

我々は彼女の向こうにナンシー関を見ながら、そのまた向こうに神を見たのである。

ありがとう君よ。そうだったのか。ありがとう事故、ありがとう。

※「四方山話」2002年08月31日 より
違反者講習三部作、その弐。

朝の10時から始まるその「違反者講習」というのは、なんでも最近始まった制度らしく「受講者にとってかなり有利なモノ」であるらしいのだ。

おいおい、わざわざ休みの日に呼び出されて講習受ける事のどこが有利なんだよポリ公よぉ!と熱り立たないで欲しい。日産シーマ乗ってるそこの貴方。

違反点数が累計6点になると、某公安委員会からお達しがあってめでたく講習受講という運びになるのは前回お話しした通りなのだが、これを受講すると違反点数6点を「無かったことにしようではないか」という、「ホントですか御代官様!」的な、大袈裟に言うと夢のようなシステムなのであった。

と、そんな説明をまず一発目の講義(1時間)で受けるのだが、なんたって早くもこのあたりから眠いのである。

連日の開発仕事が続いて夜型にシフトしていたワタシであるから、午前七時起きとかで、午前一杯興味もない話を延々聞かされるというのは、もはや拷問以外のなんでもない。

というか、思い切ったことを言うと、このような講習を受けるハメになってる人というのは、どうも「朝からシャキッと動きます!」というような体質の人はいそうになく、更に思い切って言えば、午前中のみならず、午後も好い加減そうな人達が多そうなのだ。というか、絶対に職種を聞けないような人達ばかりなのだ!

実際、この日も何人かのコワモテの人から絡まれたりしたわけで、「ごごご、ごめんなさい!給食の杏仁豆腐あげますから!良かったらパンにマーガリン塗らさせてもらいます」などとウイットに富んだ必殺の冗談を飛ばしてその場を凌いだくらいなのだ。

ということで、今回はここまで。次回、更に踏み込んだ話に入っていく違反者講習最終回。

「そしてあらわる、奇跡のナンシー」をお楽しみに!

※「四方山話」2002年08月30日 より
さしものワタシも、この一月で晴れて「普通自動車第一種運転免許」保持者となったワケである。

普通免許というのは、その名の通り「普通みんな持ってるよ」という意味合いを滲ませており、それを持つまでは「貧乏人」「非文化人」「あれ競輪選手めざしてんの?」といったような、謂われのない辱めを受けるという例のアレのことである。

それで好きモノワタシも、この六月七日の良き日を以て「違反者講習受講者」となり果てていたワケである。

一応ここも公の場であるから、いかなワタシも常習的な交通犯罪の実体を赤裸々に吐露するするような真似はしない。何故だか、いつの間にやら、岡山県公安委員会なる団体から「6点」を頂戴し、「違反者講習」なるものを受けなさいという通知を受け取るハメになったのである。

これがつまり、ワタシが違反者講習にいく事になった簡単な経緯である。

「累計6点」で講習受講の名誉に与ることが出来る、というような主旨が「違反者講習通知書」には記載されており、行けば天国、行かねば地獄、というような事も併記してある。講習日は平成14年6月7日、午前9時から受け付け。

つまり今日ですな。

というわけで、計3回に分けてこの違反者講習制度を貴方と一緒に学んで行ければと思っております。

さあ、これを読んであなたも交通違反者通を目指そう!

第一部、完也。

※「四方山話」2002年06月07日 より
見事に原付を盗まれた。

愛車「グリーングラス」が何者かにさらわれた。

ある時はゴミと間違われて回収車に運ばれそうになり、ある時は「高く買い取ります」といった類の張り紙をされ、そしてある時は前を通る小学生から「ばっちい原付」などと揶揄され、飼い主でさえ「もうそろそろかな」などと思われていた哀れグリーングラスが何者かにさらわれたのだ。

なのにスクイズスタッフの反応と言ったらどうだ。

「あーはっはっはっ」

それは失礼と言うものだろう。ある意味犯人より失礼だ。

犯人は何らかの価値をグリーングラス号に見出したからこそ、窃盗に及んだ訳だ。

今頃「グリーングラス号、辺境の農家で新境地に挑む」といった図式になっていたりするかも知れない。

或いは「グリーングラス号、新しい飼い主の元で盗みに荷担。西で東で大活躍」とかいう話になっているかも知れない。

いずれにしても二週間に一度くらいしか乗られなかった現状から脱却したのは間違いない。

がんばれよ、グリーングラス。

じゃなかった、返せよ私のグリーングラスを。

もしこれを見てたら返しなさい犯人よ。

確かに座席はメゲてスポンジが見えているかも知れないが、それは軍人で言う「名誉の負傷」と言う奴なのだ。

決して面倒だから修理しなかったとかじゃない。ホント、返してくれよ、取っても自賠責切れてるから逆に金掛かってしょうがないよ。

前にも書いたが、私は盗人が大嫌いだ。反対に物をくれる人は好きだ。

私は過去を振り返らないタイプなので、これだけグリーングラスの事を思っている風に見せかけて、実は既に次の原付を買っていたりする。話には続きがあるのだが、これはまた次回のお話で。

次号予告。

周囲の人間にそそのかされてマニュアル原付を買ったGGは、操作も分からないまま無謀にも公道に飛び出した。彼を待ち受ける数々の敵、果たしてGGはお目当てのイチゴ大福を買って見事に生還することが出来るか。驚愕の次号、「クラッチ?うん、聞いたことはあるよ」をお楽しみに!

※「四方山話」2001年04月25日 より